#41 The Market SE1(ザ マーケット エスイーワン)

道路面から線路へ走る江ノ電
道路面から線路へ走る江ノ電
2月も終わりに近づき、あちこちで梅の花が可愛らしく咲いている。
梅ジェラートを3日間だけ食べられるというのをFacebookで見かけて、江ノ島・片瀬海岸のThe Market SE1を訪れた。

お店は江ノ島近くにある小さなショップで、線路と車の通る道路面の両方を行き来する江ノ電が目の前に見られる。電車好きじゃなくてもちょっとワクワクする景色だ。

本来SE1のメニューにはトリプルはないが、たくさん食べるつもりで来たと言うと特別にトリプルにしてくれるという
食べたいフレーバーをいくつか挙げると、「フルーツにはチョコが合うから」となめらか柚子、神奈川のキウイ、ビターチョコレートを合わせてくれた。

なめらか柚子、神奈川のキウイ、ビターチョコレート
なめらか柚子(左)神奈川のキウイ(右)ビターチョコレート(奥)

なめらか柚子、神奈川のキウイ、ビターチョコレート

なめらか柚子は濃厚な柚子の香りがブワッと一気に口の中に広がった後、くどく残らずにスーッと消えていく。柑橘系シャーベットは酸っぱくなりがちだが、このシャーベットは柚子の甘みがとても濃い。華やかな印象の味だ。もちろん柚子特有の苦味もほんのり感じられて美味しい。

神奈川のキウイは湯河原産。パァっとした鮮やかな甘みが印象的。もちろんキウイの種もたくさん入っていて、つぶつぶとした食感が楽しい。

ビターチョコレートはとてもなめらかでカカオの香りが豊か。甘みと苦みのバランスが絶妙だ。

フルーツとチョコが合うということなので、キウイと一緒に食べてみたところ味が変化した。キウイの甘みとチョコレートの甘みが絡み合い、美味しさが立体的になる。まるでGODIVAやメリーチョコレートのようなちょっと高級なチョコレートを食べているようだ。

今度は柚子と一緒に食べてみる。するとこれまた激変。柚子とチョコの甘みに加えて、カカオの苦みや柚子の苦み、濃厚さと爽やかさなど、それぞれの美味しい要素が絡み合い、カオスになることなく、むしろ美しい旋律を奏でるように調いあってひとつのハーモニーを生み出すのだ。このドラマチックな味の展開に感動してしまった

単独でも、合わせて食べても美味しい。柚子、キウイ、ビターチョコ、柚子+チョコ、キウイ+チョコ。1カップ5役。なんて贅沢なんだろう。

梅酒、ラム香る焼芋、薫る甘酒
ラム香る焼芋(左)梅酒(右)薫る甘酒(奥)

ラム香る焼芋、梅酒、薫る甘酒

次のカップはお酒づくし。以前マリオジェラテリアでティラミス3種盛りを食べたが、今回はお酒3種盛り。なかなかに乙な組み合わせである。
(マリオジェラテリアでティラミス3種盛りの紹介記事はこちら

ラム香る焼芋はほっくりとした焼芋の甘みにラムが効いていて良いアクセントになっている。
ラムを使ったアイスといえばラムレーズンがあるが、レーズンの代わりに焼芋を使っているため甘みが優しくて和む味だ

Facebookで見かけた梅ジェラートは梅酒ジェラートであった。勝手にさっぱりしたシャーベットを想像していたが、なめらかなジェラートで驚いた。しかもすごくクリーミー。嬉しくて美味しい誤算である。
梅酒はもちろん自家製。甘露煮の梅を合わせているためか口当たりが優しい
ひとくちごとに梅のとてもいい香りがして春らしく、気持ちが明るくなるようだ。

薫る甘酒は石川県の菊姫大吟醸の酒粕を使用。
口に入れる前から甘酒のいい香りがする。クリーミーでまろやかでとても美味しい。
香りも味も芳醇で、お米の風味もしっかり感じられる。

イートンメス
甘い苺がたっぷり乗ったイートンメス

イートンメス

イートンメスはイギリスの伝統的なお菓子だ
少し固めに泡立てた生クリームと、サクサクに焼いたメレンゲを砕いたものと、苺を重ねて層にしたパフェ風デザート。これを器の中でザクザクと混ぜながら食べるのだ

SE1のイートンメスは生クリームの代わりにミルクジェラート「山のみるく」を使う。アイスのねっとり感とメレンゲの軽いサクサク感のコンビネーションがうま楽しい

そしてなんといっても「山のみるく」の美味しさといったら!
ミルクの豊かな風味がこのイートンメスのおいしさのベースとなっている。

大きめの幅の広いグラスの中は、アイス+メレンゲ+アイス+苺 となっており、アイスが2層もあって食べ応え十分
「やっぱり苺とミルクの組み合わせは最強だなー」とひとりつぶやきながら、たっぷり味わうことができた。

イートンメスはこの時期だけの期間限定。とっても美味しいので是非食べて見て欲しい。

げんまい茶、ライム&アップルマンゴー、ヘーゼルナッツアーモンドクランチ、黒糖バナナ
(左前から時計回りに)げんまい茶、ライム&アップルマンゴー、ヘーゼルナッツアーモンドクランチ、黒糖バナナ

げんまい茶、ライム&アップルマンゴー、ヘーゼルナッツアーモンドクランチ、黒糖バナナ

ここまで食べたジェラートがどれもあまりに美味しくてまだ終わりにしたくなかったので、最後にもうひとカップ注文しようとすると、オーナーが「まだ食べるの?! じゃあ残り全部入れてあげるよ!」とまだ食べていない残りのフレーバー4種を全て入れてくれた。トリプルすらメニューになかったのに。とても気さくで優しい人柄だ

緑茶のジェラートはよくあるけど、こちらは玄米入りのげんまい茶。豊かな緑茶の香りに玄米の香ばしさが加わった大人な味だ。

黒糖バナナはクリーミーでまろやかなバナナ。黒糖が香ばしくほんのり香って美味しい。さすが人気No.1フレーバーだ

ヘーゼルナッツアーモンドクランチは、チョコやキャラメルなどの他の物が入っていない、ナッツ一本の男らしいフレーバー。細かく砕いたナッツのつぶつぶがたくさん入っていて、ナッツ好きなら是非食べて欲しい。

ライム&アップルマンゴーは濃厚なマンゴーアイスにライムが酸味と苦味をプラスして、さっぱりと爽やかにしてくれる。

Market SE1の看板

素材の旬と料理人の腕が光るジェラート

The Market SE1のオーナーは懐石料理やイギリスの星付きレストランで腕を奮い、F1チームの専属シェフとして世界各国を回ったこともあるという経歴の持ち主。
どのフレーバーも素材の旬を生かしつつ、焼芋とラムを合わせたり、マンゴーにライムを加えるなど料理人ならではの創意工夫がなされている

フレーバーの数がそれほど多くないとはいえ、全種類食べてしまったほどジェラートが美味しい
しかも江ノ電の通る景色やオーナーとの会話が楽しくて居心地がよい。

メニューには他にピザもあり、こちらもとても美味しそうだ。

冬季と夏季で営業日が変わるので、お店に行く前にお店のwebサイトを確認することをおすすめする。(お店のwebサイトはこちら

次に来る時もお腹をぺこぺこにしておいて、ピザとジェラートを思う存分楽しみたい。

Market SE1のショーケース
(上)げんまい茶、なめらか柚子
(下)ラム香る焼芋、黒糖バナナ
Market SE1のショーケース
(上)なめらか柚子、神奈川のキウイ、ヘーゼルナッツアーモンドクランチ、ライム&アップルマンゴー
(下)黒糖バナナ、薫る甘酒、ビターチョコレート、山のみるく
Market SE1のショーケース
(上)神奈川のキウイ、ヘーゼルナッツアーモンドクランチ、ライム&アップルマンゴー
(下)薫る甘酒、ビターチョコレート、山のみるく

The Market SE1

住所
神奈川県藤沢市片瀬海岸1-6-6
お問い合わせ
0466-24-8499
アクセス
江ノ島電鉄線 江ノ島駅 徒歩3分、湘南モノレール 湘南江ノ島駅 徒歩3分。 (140m)
営業時間
11:00~18:00
定休日
不定休(webサイトにて要確認)
webサイト
http://themarketse1.com/
Market SE1の外観