#39 Shiya’s coffee and icecream(シヤズコーヒーアンドアイスクリーム)

ほうじ茶とストロベリーミルク
ほうじ茶とストロベリーミルク
Shiya’scoffeeandicecreamのメニュー
イラストがかわいいメニュー

幻の名店

表参道の裏通りはとても入り組んでおり、その隅々にオシャレでハイセンスなショップがいくつも隠れている。
Shiya’s coffee and icecreamもそんな隠れた名店のひとつだ。しかも幻の名店である。なぜならこの店は週に3回しか開いておらず、それも不定期で、営業を問い合わせようにも電話がないので、開いているかどうかは行ってみないと分からないのだ。

実際、数ヶ月前に初めて訪れた時は閉まっており、一時間後にもう一度行ったがやはり開いておらず諦めて帰ってきた。そして二度目の今回は運良く営業していたのだ。

ところがこの店は残り3日の営業で閉店してしまうという。オープンしているのは2019年2月15、17、22日。非常に残念だ。

店内はとても狭く、カウンターのみで椅子はない。テイクアウトの場合は外からもオーダーできる。
アイスのショーケースはなく、紙のメニューのみ。まずはかわいい猫のイラストがオススメしてくれているビターキャラメルと、それに相性のよさそうなモンブランを食べてみよう。

ビターキャラメルとモンブラン
ビターキャラメル(奥)とモンブラン(手前)

ビターキャラメルとモンブラン

ビターキャラメルはその名の通り、苦味の効いた大人キャラメル。
甘さ控えめで、じわ〜っと味わいながら落ち着ける風味。

モンブランもマロンの風味が穏やかで優しく、ねっとりした食感も相まってとてもおいしい。ベースになっているクリームアイスのミルキーな甘さがマロンと良く合っている。この日は雪がちらつく寒い日だったが、こういう寒い時にぴったりの冬が似合うフレーバだ。ホットのブラックコーヒーとの相性も抜群で心も体も温まる。

ほうじ茶とストロベリーミルク
ほうじ茶(上)とストロベリーミルク(下)

ほうじ茶とストロベリーミルク

ほうじ茶はまろやかなお茶の味と香ばしい香りがおいしい。しっとりとした風味で、こちらもふぅ〜っと肩の力が抜けるようにリラックスできる味だ。
先ほど食べたビターキャラメルやモンブランと同様に、穏やかで優しい味。

ストロベリーミルクは想像していた通りの苺ミルク味で、「そうそう、これこれ」と言いたくなるような安心感がある。
フローズンストロベリーの欠片がたくさん入っていて、シャリっとした歯ごたえがアクセントになる。

バニラとレアチョコレート
バニラ(上)とレアチョコレート(下)

バニラとレアチョコレート

バニラはバニラビーンズがたっぷり入っている。他のフレーバーが全体的に穏やかな印象だったのに対して、このバニラは予想外にバニラの風味がはっきりと感じられ意外だった。クリーミーだけどしつこくなく、甘さは控えめでおいしい。

レアチョコレートはココア本来の酸味と苦味が感じられる。味が薄いのとは違う、ふんわりと淡く優しい風味

アイスに添えられたクッキーはどれも個性的な顔をしている。なんとも言えないとぼけた表情がキュートだ。材料はすべて植物性のものを使用したヴィーガンクッキーで、他にもマフィンなどの焼き菓子あり、それらはすべてヴィーガンである。

カップに描かれた猫たち
カップに描かれた猫たち

ゆる猫

アイスのカップには店員さんによる手描きのが描かれている。どの猫も気が緩むような可愛さだ。お店が暇な時に描いているというが、山積みになったカップを見るとかなり暇だったようだ。
立て続けにコーヒーのテイクアウトのお客さんが来たので「お客さんいっぱい来ますね」と言うと「こんなの珍しい」と驚いていた。ちなみに先ほどのとぼけ顔クッキーも彼女が作ったものだ。

ヨガ猫のトートバッグ
ヨガ猫のトートバッグ
ミックスベリー入りのお水
ミックスベリー入りのお水

ゆるいのは猫だけじゃない

ヨガコーチもしているという彼女がイラストを描いたトートバッグが店内に売られており、そこにはあのゆる猫の様々なヨガポーズが。眺めているとなんだかもう可笑しくて、些細なことなどどうでもよくなってくる。

カウンターには自由に飲めるお水が置いてある。苺やラズベリー、レモンスライスなどが入ってピンク色に色づいており、可愛くておいしい。「おしゃれですね」と褒めると「普通の冷凍ミックスベリーを凍ったまま入れただけですよ〜」と笑っていた。どこまでも気負わない店である。

店名の由来は開店当時にいたスタッフ二人の名前から取ったという。オーナーの名前とかではなく、そのときいたお店番スタッフの名前というのが、肩肘張らないというか脱力系である。
ちなみにオーナーはこの近くでアパレルショップをいくつか経営しており、この場所はその倉庫として使っていたらしい。この店がいまひとつ熱意らしいものを感じられないのも納得がいく。

とぼけ顔クッキー
とぼけ顔クッキー
とぼけ顔クッキーその2
とぼけ顔クッキー その2

ゆるさの名店

それにしてもここはおっとりとした雰囲気で最高に居心地がいい。私がここを名店と思うのはこの雰囲気である。おそらく誰にとっても名店であるわけではないだろう。失礼ながら、ここのアイスはこだわりのジェラテリアとは比べられるものではないし、コーヒーは普通だし、どこを撮ってもフォトジェニックでオシャレなカフェというわけでもない。しかも椅子がないので立っていなくてはいけない。それでもなぜかリラックスできるのだ。
客足が途絶えると店員さんはカウンターの向こうで読みかけの本を読み始めて、私のことなどまったく気にかけていない様子だ。だから私もなんにも気にせず、とぼけた顔のキュートなイラストを眺めながらアイスとコーヒーと楽しめる。

しかしこの幻の名店は、前述の通り、残念なことに残り3日の営業で閉店してしまう。2019年2月15、17、22日のみだ。開店は週3日だし電話もないし、はっきり言って閉店の原因はどう考えてもこのやる気のなさだと思うのだが、それがこの店の良さでもあるのが難しいところだ。心底もったいない。いつかどこかでまたこのおとぼけクッキーと再会したいものだ。

Shiya’s coffee and icecream

住所
東京都渋谷区神宮前5-13-12
アクセス
東京メトロ 明治神宮前駅 徒歩6分(415m)
営業日
2019年2月15日 17日 22日
11:00~18:00
webサイト(Instagram)
https://www.instagram.com/shiyascoffeeandicecream/
Shiya’scoffeeandicecreamの外観