
アイスでイタリア語に触れる
EATALYはイタリアの食材販売コーナーとレストランを併設したイタリア発のフードマーケットで、日本には日本橋三越と東京駅グランスタ丸の内(改札外)に店舗がある。日本橋三越では新館の地下1階にあり、食材マーケットエリアとレストランとカフェカウンターの3つに分かれている。レストランで食事をすれば、カフェカウンターで注文したジェラートをレストラン内で食べることもできる。
ショーケースには美味しそうなジェラートとイタリア語で書かれたネームプレートが並ぶ。TIRAMISÚ(ティラミス)やCAFFÉ(カフェ)のように意味がすぐ分かるものもあれば、STRACCIATELLA(ストラッチャテッラ)やCASTAGNA(カスターニャ)など一読では意味が分からない上にいかにもイタリア語っぽくてカッコイイ名前があったりして、ネームプレートを読むだけで楽しい。

ピスタチオ、ストラッチャテッラ、ノッチョーラ
ピスタチオはローストした感じがよく分かる香ばしい風味。特に後味によりはっきりピスタチオの香りが立って美味しい。
ストラッチャテッラはジェラートの場合はチョコチップアイスのことだが、ネットでこの言葉を検索するとかき卵スープが出てくる。イタリアの郷土料理のひとつで、名前の由来はスープの中の卵がストラッチェッティ(ぼろ布、端切れ)のように見えるからだそう。同じように細かく砕いたチョコレート入りのジェラートもストラッチャテッラと呼ぶ。なるほど、これは「ボロきれチョコ」というわけだ。
EATLYのストラッチャテッラはスッと溶けるあっさりとしたミルクジェラートにパリパリのボロきれチョコがアクセントになる。甘みはしっかりあるがすぐに溶けて後味はすっきりしている。
ノッチョーラとはヘーゼルナッツのことである。イタリアでは定番フレーバーで、日本のジェラートショップでもノッチョーラという言葉を見かけることがある。見た目はチョコレート色だがチョコは入っていない。舌触りは少しシャリとしつつ、空気を多く含んでいてふわっと軽い。ヘーゼルナッツの香りをしっかり感じられて美味しい。

カスターニャとクレーマ
カスターニャはイタリア語で栗のことだ。イタリアは世界でも有数の栗の生産国で、英語のマロンに近いマローネという言葉もあるが、マローネとカスターニャとは違う品種だ。カスターニャは小さめで形は日本の栗に似た片面が丸く、反対側が平らな形。マローネは大粒で全体的にコロンと丸い。
EATALYのカスターニャはラムが混ぜ込んであるがほんのりと上品に香る程度でお酒が苦手な人でも楽しめそうだ。栗の風味がしっかりと感じられ、栗の粒も入っていてとても美味しい。
クレーマはそのままクリームのこと。卵がたっぷりのせいか色が黄色く、カスタードに似た甘さがある。懐かしく安心できる味と甘さで幸せな気持ちにさせてくれる。卵の滑らかさのためか他のフレーバーよりもよく伸びて、視覚的にもおいしく感じる。チーズでもお餅でもジェラートでも、よく伸びる様子は美味しそうに見えるから不思議だ。



アイスクリームのある風景
ここではジェラートを食べに来たのではなく、何かをしながらついでにジェラートを食べている人が多く見かけられた。お買い物の休憩のついで、食事のついで、友人とコーヒーを飲みながらおしゃべりするついで。
焼肉屋さんに焼肉を食べに行くように、アイスクリーム屋さんにアイスクリームを食べに行くというシチュエーションはもちろん最高に素敵だが、こんな風に何かのついでにさりげなくアイスを食べるというのも、アイスクリームがその風景に溶け込んでいるようで好きだ。
友人との語らいやおいしい食事のあとにアイスがなくても全く支障はないのだが、あるとささやかなハッピーを添えてくれる。そんなちょっとした特別感があちこちで見られて私も幸せな気持ちになった。

(下)Il sorbetto Mango, Stracciatella, Castagna
(それぞれの意味は画像を拡大して見てください)

(下)Fragola, Pistacchio
(それぞれの意味は画像を拡大して見てください)

(下)Yogurt, Crema, Fior di Latte, Il sorrbetto Lampone
(それぞれの意味は画像を拡大して見てください)
EATALY
- 住所
- 東京都中央区日本橋室町1-3-10
日本橋三越本店 新館 B1F - お問い合わせ
- 050-5589-4020
- アクセス
- 東京メトロ銀座線・半蔵門線、三越前駅 徒歩1分(140m)
- 営業時間
- 11:00~22:00
- 定休日
- 不定休(三越本店に準ずる)
- webサイト
- https://www.eataly.co.jp/
