チョコの魅力とアイスクリーム

アイスクリームショップを調べていていつも出てくるお店のひとつにピエールマルコリーニがある。ベルギー生まれの高級チョコレートブランドで、世界各地に進出している。私は今までこのお店を少し避けていた。なぜならここはアイスクリームブランドではないから。そして私はチョコレートが大好きだから。つまり、チョコレートメーカーが作ったチョコアイスをチョコ好きな私が贔屓目なしに味わうことができないと思っていたのだ。
しかしこのサイトの記事もこれで30個。たくさんのお店でいろんなアイスを食べてきた今なら、チョコの魅力に惑わされずにアイスを食べられる気がする。
というわけで、私的に満を持してのピエールマルコリーニである。

店頭で食べられるスクープアイスの取り扱いは東京駅グランスタ店と名古屋店のみで、今回訪れたのは東京駅グランスタ店。
一年を通して利用者が多く雑然とした東京駅の中にあってもここは整然と落ち着いた雰囲気で、シックな内装とライトアップされたショーケースはまるで宝石店のようだ。
アイスクリームのショーケースには6つのアイスが並んでいる。ダブルのうちひとつはもちろんチョコレート。もうひとつは季節感のあるマロンに決めた。

マロンとチョコレート

マロンはひとくちサイズの栗がごろごろと入っていて嬉しい。ラム酒がくっと効いていい香りだ。マロンとラムのそれぞれの風味が素晴らしく、それらふたつが合わさって絶品アイスを作り上げている。これだけビッグサイズで食べたいくらいだ。

チョコレートはねっとりとした食感で、カカオの香りがしっかりと感じられる濃厚な味わい。
ビターチョコのような苦みと程よい甘さのバランスが絶妙。さすが高級チョコレートブランド・ピエールマルコリーニのチョコレートアイスだ。

両方共ねっとりした食感なのでカップの中ですぐに混ざり合い、チョコマロンとなって更に美味しい！ラムマロン味の高級チョコをそのままアイスクリームにしたようだ。

食べる前からすでに柔らかいが、溶けているわけではない。冷たさで味覚が鈍感にならないよう温度に気を配っているため、そして空気を多く含ませてふんわり仕上げているため柔らかめなのだそう。味はまったりと、舌触りは柔らかく。
アイスの適温について以前書いた（アイスの温度について書いた記事はこちら）。固すぎず柔らかすぎずのちょうどよい食べごろ温度があるのはチョコもアイスも同じだ。ピエールマルコリーニは高級チョコブランドだけあって、アイスでもその辺りはぬかりない。

フランボワーズとノワゼット

甘いアイスの後だからか、フランボワーズの酸っぱさにぱちっと目が覚めるようだ。このアイスは色も酸っぱさも梅干しに似ている。シャキッとアクセントになる色と味だ。
ノワゼットとはヘーゼルナッツのこと。なめらかな食感で、クリームのまろやかさとナッツの香ばしさが相まってとても美味しい。
これもやはり緩めの仕上げてあり、キーンとした冷たさで下が麻痺することなく、豊かな風味を存分に楽しめる。

冬アイスとしてのプレミアムチョコアイス

グランスタ店ではチョコとバニラ以外は季節ものや人気フレーバーを入れ替えながら常時6種類程度を揃えている。
マロンは11月で終了しており、12月からはジンジャーを使ったフレーバーが登場するとのこと。
店内にイートインスペースはないが、お店の目の前が「銀の鈴広場」という休憩スペースになっており、ベンチや立ち用テーブルを自由に使える。

近年「冬アイス」は定番化している。アイス市場の売上高は5年連続更新しているそうで、その理由のひとつに冬アイスの定着があるという（参照：アイス市場 5000億円達成 “冬アイス”定着で「通年型のデザート」に）。森永製菓が2016年に行ったアンケートでもアイスの人気が冬でも衰えないことが伺える（参照：MORINAGA NEWS RELEAESE）。なかでも人気なのはなめらかで濃厚なチョコレートアイス。たしかに夏の暑い日と冬の寒い日では食べたい味は変わるし、濃厚なこってりチョコアイスは暑い日よりも寒い日のほうが魅力的に感じる。

ピエールマルコリーニグランスタは東京駅構内にあり、改札を出なくていいのが便利だ。年末年始の規制の際などにちょっと寄って、冬ならではの贅沢なアイスクリームを味わってみてはいかが？